ura87 no omote
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この授業では、心理学、脳科学、コンピュータ科学の三つの立場から認知科学を扱う。認知科学とは人間の「知」の仕組みを解明する学問である。認知科学は、この伝統的なテーマに自然科学の方法論でアプローチする。
認知心理学、脳科学、コンピュータ科学は共通点も多く、互いに刺激し合って発展してきた。コンピュータ科学ではノイマン型コンピュータによってハードとソフトが分離した(Neumann 1946)(従来の電算機は計算内容が配線に依存しており汎用性がなかった)。脳科学では「心」を脳や神経というハードを動かす「ソフト」であると理解された。心理学では短期記憶研究(1959)を端に、人間の知に関する研究が進んだ。
以下、認知心理学について。
認知とは「知るというこころの働き」および「獲得された知識」である。哲学は知の体系化を目指すが、認知心理学では知をどうやって手に入れるかが問題である。
心理学とは「心」を対象とする「科学」である。心の調べ方には、本人に聞く方法と、外から見る方法(実験)の二つしかない。本人の自覚や言語化には限界があることから、現在では実験、つまり環境条件を変化させて行動がどのように変化するかを観察する方法が主流である。
計算内容が配線に依存する古いコンピュータと対比することで、ハードとソフトが分離すること、つまりコンピュータが汎用的になることの価値をはじめて理解した気がする。
脳科学が心をソフトとしていることは、よくわからなかった。ということは、ニューロコンピュータみたいに人間のハードを模したコンピュータは意味がないということか。もちろん人間に相当するソフトも含めて実装できればかまわないけれど。逆にいえば、ノイマン型コンピュータのソフトを工夫することで人間の知能に匹敵できる、のか。ぼんやりと、人間は「脳がすごい」、「神経がすごい」というイメージだったけれど、それだけではないことが示唆されて興味が出た。ソフトとしての心、については今後の授業で考えたい。